【中古住宅や改築時の白アリ発生チェックポイント】
どんなに上物にお金をかけても土台がダメになればその家の寿命はお終りです。
築後10年以上経つと、どこかしら家は傷んでくるものです。そのときに早めに手当てするかしないかで後の出費が違ってきます。ちょっとした異常でもそれは家のサインと考えて早めの手当てをおすすめします。

外壁や屋根は普段外から見えますから傷んでも気がつきやすいのですが床下は見えません。それでどうしても床下は後手後手になってしまいがちです。
たとえば、私の経験でも浴室から羽アリが出たというので床下の土台を検査してみると
もうアウト! 駆除する前にまず大工さん!というお宅も結構あるのです。
浴室の土台が白アリの食害と腐れで手のつけられない状態になっていることも決して珍しくはないのです。それで結局、浴室の作り変えなんてケースはよくあります。そこまで傷むのにかなりの年数がかかっているはずなのですが床下は普段見えない場所なので気がつきにくいのですね。

ついでにいえば羽アリは白アリがいれば毎年必ず出るというものではないのです。
羽アリが出たことがないからといって白アリがいないということにはなりません。
む白現実は羽アリが出たことがない家ほど白アリのいる確率は高い、といっていいとおもいます。
ある家で壁際に置いてあった箪笥がだんだん中央に傾いてきたので、畳を上げてみたら床板から畳裏までびっしり白アリだらけ!もう駆除の段階を超えていて、あわてて大工さんを呼んだことがありますが、それでも、その家のご家族の誰一人として羽アリなんてこの何十年も見た事もない、といっていました。
白アリは毎年かならず分家のために羽アリが出るもの、ではないのです。




チェックポイント@

{中古住宅を買う時は!見かけだけでは決めないで!}

<事例5>
以前こんなことがありました。ある家から床下の点検を以来されたときのこと。
床下に潜ってすぐに長さ一間くらいの残材が放置されているのをみつけました。
そこには大量の白アリがいました。とても危険な状態です。土台にあがってくるのは時間の問題!。ところがその家の御主人はもうすぐこの家は売ってしまうので白アリ駆除は必要ないというのです。それならなぜ点検を依頼したのかと思いましたが私どもではどうしようもできません。
そして一年後のことです。その同じ家からまた点検依頼がありました。お邪魔してみるとやはり持ち主は変わっていました。再度点検してみると昨年あったあの残材がなくなっています。おそらく前の御主人が撤去したのでしょう。しかし、もう白アリは浴室の土台および各部屋の束柱に蟻道を作って大引きまで侵入していました。
今の家主さんに昨年の状況をお話すると、怒り心頭!この家を売った不動産会社に抗議したいので協力してくれとのこと。結局この件は、いまの家主さんと不動産会社が、駆除費用を折半で負担するということで話はつきました。
 
<事例6>
似たような話ですが、中古住宅を買って外壁およびフローリングの張替え等、約600万の費用をかけて入居した人から連絡がありました。
住み始めて1年くらい経ってから、フローリングの上を歩くと揺れるようになったというのです。そして外壁の隙間から羽アリが出ているとも。
床下の状況は惨憺たるものでした。束柱が13本完全に白アリに食われて空洞化しています。倒壊はしなくても床が抜けるのは時間の問題です。
束柱の交換と大引きの補強でなんとか食い止めることができましたが、買ってから1年以上経っているので不動産会社は補償には応じてはくれませんでした。

このように中古住宅を買う時は、外見の傷み具合や間取りに、どうしても注意がいってしまいがちですが床下の状態を調べることは、とても大事なポイントです。
一度買ってしまった後で不具合が見つかってから不動産会社と、揉めるのはお互い嫌なものです。中古住宅を買う時は、なにはさておき床下のチェックを !

反対に築後15年位経っている家でも土台にまったく腐れのない中古住宅も稀に あります。このような家はお買い得だと思います。




チェックポイントA

{脱衣場の柱の下は腐っていませんか?}

脱衣場は、浴室の出入りのとき濡れた裸足で歩くところなので浴室マットを敷いていてもどうしても濡れてしまいます。また浴室の湯気等で脱衣場の柱の下も腐れやすくなります。
脱衣場と浴室の境目の下には土台があります。築後10年も経つと程度の差はあってもこの土台は例外なく腐ってきます。腐った土台の中にミミズをみつけることもあります。

特にタイル貼りの浴室の場合、外部からのいろんな振動やあるいは地盤沈下でどうしてもタイルに亀裂が入ってきやすくなります。この亀裂から下に侵入した水分も土台の腐れの原因になります。そしてこのような土台に白アリの住みつく確率は高くなってきます。

 小さなひび割れでも見つけたらコーキングか目地用のセメントで埋めること、
これが浴室の寿命を伸ばす大きなポイントです。また脱衣場の柱の下が腐っていたら白アリを疑ってください。この場合は早目の床下の点検が必要です。



チェックポイントB

{ヘタリや軋みの原因は?怖がる前に点検を}

廊下、フローリング、和室の畳の上を歩いてヘタリや軋み、微かに揺れる感じがしたら
白アリが原因かもしれない、と不安な気持ちを抱きながら生活している方はけっこう多いような気がします。もし白アリがいたら、もし被害が進んでいたら、と悪いイメージをどんどん膨らませてしまいストレスを溜め込んでしまう。
確かに白アリが原因の場合も稀にありますが、私の経験ではむ白カビが原因のほうが圧倒的に多いようです。
カビが合板やフローリングの接着力を低下させてしまうのです。
これは床下から補強か補修をすることで簡単に直せる場合が意外と多いのです。
怖がる前に点検をしたほうが気分もすっきりしますよ。案ずるより産むが易しです。




チェックポイントC

{ベタ基礎がおすすめ!}

<事例7>
1年前にトイレとその上の部屋から羽アリが大発生して駆除したお宅から、今年また羽アリが大発生したと連絡がはいりました。しかも発生した場所は去年と全く同じです。
床下を調査すると、信じられない事に去年と全く同じ場所に、再び蟻道が作られていました。そこは確実に薬剤処理した箇所なので絶対あり得ないはず!でも現実には白アリがうようよ!
このお宅は数年前に雨漏りでトイレの天井が腐っていいました。雨漏りの箇所を見つけるのは大工さん泣かせの難しさ。それで雨漏りの原因がわからないまま外壁の張替えをしたのです。でも結局、雨漏りは直っていなかったのです。これでは何度駆除しても意味はありません。再び外壁を二階まで剥がしてやっと雨漏りの侵入箇所を見つけ解決しましたが、かなり難しい作業でした。
ヤマト白アリの場合、二階の部屋まで上がるのは雨漏りが原因の場合がほとんどです。
雨漏りによって上から水が補給できるからです。




チェックポイントD

{基礎の外回りに日陰をつくらない!}

<事例8>
定期点検で外回りをチェックしていたとき意外な場所で蟻道を発見したことがあります。
最近はめったに見かけなくなりましたが、戸袋のあるお宅でした。戸袋の下は日陰になります。そこになんと蟻道がありました。外部から土台に侵入していました。
白アリは太陽光線や風をとても嫌いますから、外部から土台に侵入することはまずありません。しかしこのように太陽光線を遮るものがあると外部から侵入することもあります。たとえば、ガーデニングの植木用鉢がたくさん基礎周りに置いてあったり、板が立てかけてあったり、箱や犬小屋を基礎周りに置いてある場合はそこに日陰ができて風も遮られるので侵入されやすくなります。
家の周りにモノを置く場合は5cmくらいは基礎から離しておくと、ときどきチェックできますから安全です。なるべく日陰をつくらないこと、それが無理ならときどきチェックできるように隙間を5cmくらい空けておきましょう。



チェックポイントE

{基礎のひび割れに砂が詰まっていませんか?}

※現在制作中です。



チェックポイントF

{湿気があるから白アリはいない?}


※現在制作中です。


 
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